飼育魚の餌の中でも抜群の嗜好性で、人工餌も食べないような飼育魚でも冷凍赤虫なら夢中になって食べてくれる事が多いです。
しかし、この飼育魚にとって嗜好性抜群の冷凍赤虫はよく、「冷凍赤虫を解凍した時に出るドリップが飼育水を汚す」などと、よく言われています。
では、この「飼育水を汚す」ってどれ位汚すのか?
そこで、この冷凍赤虫を解凍した時に出るドリップが、どれ位飼育水を汚すのか調べてみました。
そもそも赤虫とは?
飼育魚に与えると一斉に飛びついてくる赤虫って実際には何なのでしょうか。
釣り餌や観賞用高級金魚の生餌に使われるアカムシはオオユスリカやアカムシユスリカなどの幼虫である。
このように赤虫はユスリカの幼虫で、昔から金魚やメダカなどの餌として愛用されています。
そして、その生きた赤虫を冷凍させた物が、「冷凍赤虫」として販売されています。
冷凍赤虫を解凍したドリップがどれ位飼育水を汚すのか?
この冷凍赤虫を飼育魚に与えるさいに解凍時に発生するドリップは、冷凍される時に赤虫内の水分が凍り、その時に細胞膜を壊して解凍時にドリップとして現れてくるようです。
そのドリップが解凍する水を赤く染めてしまったりする事から、飼育水を汚すと言われている所以だと思います。
それでは、その解凍時に発生するドリップは、どれ位飼育水を汚してしまうのでしょうか?
飼育水のTDSを測定
自分は、いつも飼育水で冷凍赤虫を解凍しています。
この飼育水で5分程度置いたらいい具合に解凍されているので、ピペットで吸い取り飼育魚に与えています。
冷凍赤虫を解凍前の飼育水(大体100ml位)のTDS値は、131ppmを示しています。
ちなみに、TDSとは総溶解固形分(total dissolved solids)の事で、水中に溶解されている成分の濃度を測定出来ます。
どんな物質がどれ位溶解されているかは分かりませんが、測定前と測定後での値の変化で何かが多く加わった事が判断出来ます。
冷凍赤虫を飼育水で解凍
自分が最近いつも使っているのは、キョーリンのクリーン赤虫ミニキューブです。
手に直接触れることなく、一つずつ取り出せる少量パックですから、給餌しやすく無駄もありません。
コリドラス5~6匹に付き、キューブ1個程度で丁度いい位の量なのでかなり重宝しています。
この1キューブを先程の飼育水に入れて解凍します。
冷凍赤虫を5分程、取り出した飼育水に漬けておいたら、いい具合に解凍されています。
そして、これをピペットで吸い出してコリドラス達に与えます。
解凍された赤虫を水槽に落とすと、一気にコリドラス達が集まってきます。
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そして、このピペットで吸い出した後の解凍に使った飼育水のTDS値を測定してみます。
冷凍赤虫解凍後の飼育水のTDS値
冷凍赤虫を解凍するのに使った飼育水のTDS値は、135ppmを示しています。
解凍前と比べてTDS値が4ppm上昇しています。
あくまでも自分が使用している冷凍赤虫である、キョーリンのクリーン赤虫ミニキューブの場合です。
他のメーカーが販売している冷凍赤虫は、以前は使っていた事がありますが、最近では使って無いので分かりません。
実際には、今回測定しただけで無く製造ロットによってもバラツキがある可能性があるので、今使用しているロット以外にも測定していましたが、大体2~5ppm上昇の範囲に収まっています。
冷凍赤虫を間違って半解凍状態にしてしまい、再度、冷凍した物を解凍した時にはもっとドリップが出て飼育水を汚してしまう可能性が高いでしょうが。
ちなみに人工飼料を与えた翌日には、水槽のTDS値が冷凍赤虫を解凍に使用したドリップ混じりの解凍水の2~5ppmと同程度上昇します。
ですから、今自分の使っている冷凍赤虫の場合、人工飼料と殆ど同じ位しか飼育水を汚さないと言えそうです。
まとめ
手に直接触れることなく、一つずつ取り出せる少量パックですから、給餌しやすく無駄もありません。
冷凍赤虫を解凍したさいに発生するドリップが飼育水を汚すと言われていますが、実際にはそれ程解凍したドリップは飼育水を汚しているように見えませんでした。
しかし、他メーカーの冷凍赤虫の場合は、解凍時にドリップが出るかもしれません。
その際には、茶こし等に冷凍赤虫を入れて流水で洗い流してから解凍して、赤虫を飼育魚に与えるなどの飼育水を極力汚さない方法も必要になってくるでしょう。
「飼育水を汚す=飼育水中のアンモニアが増える」を意味するなら、飼育魚が餌を食べた後にする糞などの方が圧倒的に早く飼育水中にアンモニアを発生させます。
どちらかといえば、餌の残りはじわじわとアンモニアを発生させます。
糞 > 餌の残り の方が早く飼育水中にアンモニアを発生させる事を覚えておくといいです。
更新日:2022/07/09
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