水槽の水温が低くなってくる秋~冬、そして、春先まで必要となり熱帯魚飼育や水草水槽などではマストアイテムである水槽用ヒーター。
特に水槽の水温が急激に低下すると、熱帯魚が体調を崩しやすくなったり、また、病気になったりと飼育魚の生命にも関わってきます。
そこで、水槽水温の低下を防ぎ熱帯魚にとって快適な水温を維持する為に必要な、水槽用ヒーターとサーモスタットの選び方と設置の仕方、オススメの水槽用ヒーターなどを解説します。
水槽用サーモスタットとヒーターの役割
水槽用ヒーターとサーモスタットには、それぞれ役割があります。
簡単に説明すると、水槽用ヒーターは飼育水の温度を上げる役割を果たします。また、水槽用サーモスタットは、設定水温になると接続されている機器の電源を切る役割があります。
これらの事について、それぞれ詳しく解説していきます。
水槽用サーモスタットの役割
水槽用サーモスタットには、水温を感知するセンサー部・電源プラグ(出力用)・電源プラグ(入力用)の配線が出ています。
また、水温調整ダイヤルで設定温度を調整するようになっています。
水槽の温度を感知するセンサー部分を水槽内に設置して、設定した水温を下回るとサーモスタットに付いている電源をONにし、逆に水温が設定温度を上回ると電源をOFFにする制御コントローラーになります。
サーモスタット単体では、水温を上げたりする事は出来ず別途水槽用ヒーターを接続して使用します。
上記水槽用サーモスタットの場合、接続出来る水槽用ヒーターの合計最大ワット数は300Wとなっています。他に500Wタイプや1000Wタイプのサーモスタットもあります。
後で説明しますが300W対応の物であれば90cm水槽用のヒーター迄対応出来るので、多くの方は300Wタイプを選択しておけば問題無いです。
また、水槽用ヒーターにサーモスタットの機能を内蔵した物(サーモスタット一体型ヒーターや温度固定型ヒーター)もあります。
水槽用ヒーターの役割
水槽の水温を上昇させる目的で使用するのが、水槽用ヒーターです。
水槽サイズによって、対応する水槽用ヒーターのワット数が変わってきます。また、アクアリウムメーカーは水槽用ヒーター自体を、消耗品として1年での交換をすすめています。
サーモスタットを内蔵していない水槽用ヒーター単体を、間違っても普通の電源コンセントに接続しないよう注意して下さい。
水槽用ヒーターは、電源が常に入った状態だと水温をどんどん上昇させて、水槽の温度がお湯の状態になってしまいます。
水槽用サーモスタットやヒーターの選び方
アクアリウムメーカーから、色々なタイプの水槽用サーモスタットや水槽用ヒーターが発売されています。
そこで、どこに注目して水槽に合ったヒーター等を選べばいいかを解説します。
水槽サイズとヒーターのワット数
基本的には、水槽適合サイズに対応したワット数の水槽用ヒーターを選択します。
対応水槽サイズよりも小さいワット数の水槽用ヒーターを選択したら、水槽容量が大きすぎて常時加熱している状態で、さらに目的の水温まで上昇させられない事もあります。
水槽サイズ | ワット数 |
30cm以下(10L以下) | 50W以下 |
30cm以下(20L以下) | 50W~ |
45cm(40L以下) | 100W~ |
60cm(60L以下) | 150W~ |
70cm(100L程度) | 200W~ |
90cm(150L程度) | 300W~ |
120cm(200L程度) | 500W~ |
※上記水槽サイズと適合ワット数のヒーターは、水槽設置場所の周囲温度が15℃以上の場合です。
水槽設置場所の周辺温度が15℃以下になってしまう場合は、希望水温まで上がらない場合があります。その場合は、水槽適合サイズよりワンランク上のワット数のヒーターを使用した方がいいです。
水槽用ヒーターとサーモスタットの種類
水槽の水温を加温するには、ヒーターとサーモスタットを合わせて使用しますが、サーモスタットの機能を内蔵したヒーターや設定された温度を維持するように動作するオートヒーターなど選択肢が複数あります。
水槽に適合したワット数が分かったら、次はどのような種類のヒーターを選択するかになります。
- オートヒーター(温度固定式)
- 温度調整式ヒーター一体型
- サーモスタット・ヒーター分離型(セパレートタイプ)
上記3つのタイプがあります。
オートヒーター(温度固定式)
設定温度(26℃固定が多いです)で、水温を維持するのが水槽用オートヒーターになります。
サーモスタットも必要なく、水温を感知するセンサーを内蔵した簡単・お手軽なヒーターになります。
水槽内に水温感知センサーを設置する必要もなく、ヒーターから出ているプラグをコンセトに接続するだけで、設定された温度で水槽水温を維持するように動作します。
飼育魚にとっては、もう少し水温が高い方がいい種がいる場合には設定水温の選択が出来ないです。
また、白点病などで熱帯魚の治療時に水温を高くしたい場合にも、設定温度を高く出来ないということがあります。
しかし、それ以外ではオートヒータータイプでも十分な場合が多いです。
温度調整式ヒーター一体型
サーモスタットとヒーターが一体になったタイプが、温度調整式ヒーター一体型です。
温度調節が出来るので、水温を自分の好みに調整する事が出来ます。
また、水温を感知するセンサーがヒーター部に内蔵されているので、水槽内に余計な配線を入れる必要が無くとても便利なタイプのヒーターです。
サーモスタット・ヒーター分離型(セパレートタイプ)
サーモスタットとヒーター部が、別々になったタイプがサーモスタット・ヒーター分離型です。
もちろん、水温の調節も出来るのでとても便利なタイプになります。
しかし、サーモスタットとヒーターがセット販売されている物もあるので、別々に購入するよりも安く購入する事が出来ます。
また、1個のサーモスタットにヒーターを2本接続して、ヒーターが壊れた時の水温低下へのリスクヘッジをする使い方も出来ます。
ただし、この使い方をする場合に注意しないといけないのは、接続するヒーターの合計ワット数がサーモスタットの最大出力ワット数を超えないように、水槽用ヒーターを接続しないといけないです。
特に、小型水槽などの場合には水槽内が狭いので、特に邪魔に感じるかもしれません。
水槽用ヒーターの設置の仕方
水槽用ヒーターを水槽内に設置する場合に気を付けないといけない事は、横置きにしてなるべく水槽の底床に近い部分に設置する事です。(製品によっては縦に設置出来る物もあります。)
また、ヒーター自体に水流が当たるようにする事で、水槽内の水が循環するようになり、水温が設定温度になるようになります。
水が流れないような止水域の場所に設置したら、温められた水槽水が上手く循環せず、水槽内で水温が極端に違う場所が出来てしまい、熱帯魚等へダメージを与えたりする場合があります。
サーモスタットから出ている水温を感知するセンサー部をヒーターのすぐ側に設置すると、ヒーターで温められた水温を誤検知してしまい、ヒーターの動作を止めてしまう場合があります。
水槽用ヒーターやサーモスタットが故障した場合の対策
冬場の時期にヒーターやサーモスタットが壊れて水温調整が機能しなくなったら、熱帯魚などにとっては死活問題です。
まずは、しっかりと水温を維持出来ているか、毎日水温のチェックしないといけないです。
それでも水槽用ヒーターは突然壊れてしまう場合がありますが、昼間ならまだホームセンターやアクアリウムショップなどで水槽用ヒーターは購入出来ます。
しかし、夜間に水槽用ヒーターが壊れている事に気付いた場合など、新しい水槽用ヒーターなどを購入する事は難しくなります。
- 急な水槽用ヒーター故障で代替品も手元に無い場合には、水槽を置いてある部屋自体を温める方法があります。
- エアコン等の暖房機能を利用して、室内の設定温度を18℃以上を保つように動作させます。
部屋の温度が下がらなければ、水温も下がりようが無いので、熱帯魚等がギリギリ影響を受けにくい温度にしたらいいです。
ただし、あくまでも一時的な対処方法なので、早めに水槽用ヒーターを購入しましょう。
水槽用ヒーターとサーモスタットの選び方とおすすめのまとめ
水槽の水温が低下しはじめる、秋頃から春先頃まで必須になる水槽用ヒーター。
- オートヒーター(温度固定式)
- 温度調整式ヒーター一体型
- サーモスタット・ヒーター分離型(セパレートタイプ)
水槽にヒーターを設置する時は、水槽サイズに適合したヒーターのワット数を選び、目的に合わせてヒーターの種類を選択したら失敗も少ないでしょう。
おすすめのヒータータイプは、サーモスタットとヒーターが分離したセパレートタイプです。
後々の維持管理や消耗品であるヒーター部の交換など、トータルコストを考えていくと安く済むでしょう。
最終更新日:2023/12/14
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