アクアリウム用のレイアウト素材の石である溶岩石。水槽のレイアウト素材としては、ポピュラーな素材です。
レイアウト素材である石を水槽内に入れると、水の硬度を上昇させたりと、多少なりとも水質に影響を与える事が多いです。
ただ、その石の種類によってはあまり水質(pHや硬度など)に影響を与えない石もあります。
そこで、石の中でも活着素材としても使われる事の多い溶岩石が、水槽の水質にどれ位影響を与えるか検証してみました。
レイアウト素材である溶岩石
様々な溶岩石が、アクアリウムショップ等で販売されています。色合いや形などで、販売名称が異なっています。
赤味を帯びた色合いが特徴の溶岩石や黒味を帯びたものなど、天然物ということで全く同じ形や大きさが無いのも、水槽内をレイアウトしていくうえで変化が出てくるので面白いところです。
今回検証に使用した溶岩石になりますが、基本的に入手しやすいタイプの溶岩石で、角が取れた物が多いです。
溶岩石の水質への影響の検証
水道水の水質測定
まずは、検証する前に溶岩石を入れる水である、水道水の水質測定をしました。
上記が今回検証するさいに使用する、水道水の水質となっています。
アクアリウムで重要になってくる水質(PHやKH、GH、導電率など)に関しては、下記記事を参照して下さい。
バケツへ溶岩石を漬け置く
水道水が5L入ったバケツに、溶岩石を投入しました。溶岩石の特徴である多孔性から、バケツに入れた途端溶岩石から空気が出だしました。
体積的には、バケツの目盛りが5.5L辺りを指しているので0.5L位でしょうか。
そして、この状態で光が当たりにくい場所で1週間漬け込んで、そのバケツの水質がどのように変化したのかを測定しました。
1週間後の水質の変化を測定
まず、1週間前の水道水のpHは7.0を指していました。
蛇口を捻って出てきたばかりの水道水には二酸化炭素が多く含まれているはずなので、測定スタート時点の水道水をしばらく置いてからpH測定した方がよかったかもしれません。
ただ、1週間後にpHが0.7上昇してるのは間違いないです。
次にKH(炭酸塩硬度)とGH(総硬度)を測定しました。
測定結果は
となっています。
KH(炭酸塩硬度)に関しては変化は見られませんでしたが、GH(総硬度)に関しては0.5上昇していました。
最後に導電率を測定しました。
1週間後の導電率は、86ppmとなっていました。
1週間前が67ppmだったので、19ppm上昇しています。
この導電率の上昇した分が、溶岩石からカルシウム等が溶け出してGH(総硬度)が上昇した分でしょう。
1週間のpH変化
日数 | pH値 | |
1日目 | 7.0 | |
2日目 | 7.3 | いきなり変化 |
3日目 | 7.5 | |
4日目 | 7.6 | |
5日目 | 7.6 | |
6日目 | 7.7 | |
7日目 | 7.7 | |
8日目 | 7.7 | 7.7でpHが安定 |
このような形で1週間で、pH値が変化していきました。
※すべての溶岩石が、このような結果になるとは限りません。
※他の溶岩石だと、もっと水質に影響を与える可能性もあります。
まとめ
今回、水槽のレイアウト素材として良く使われる溶岩石が、水質にどれ位影響を与えるのかを測定してみました。
今回測定に使用した溶岩石は、チャームで販売されているレイアウト用溶岩石です。
1週間でpHが0.7上昇し、KH(炭酸塩硬度)は変化せず、GH(総硬度)が0.5上昇しました。
この程度の影響なら、そこまで神経質になる事なく水槽のレイアウト素材として活用出来るでしょう。
多孔質な事から多くのバクテリアの定着なども期待できるので、水槽水の浄化作用も期待出来る溶岩石。
今回の結果は参考程度に、実際に使用するさいには念のため、どれ位水質に影響を与えるか測定した方がいいかもしれません。
更新日:2022/12/15
コメント
一週間後のPHが7.0になっています。
ご指摘ありがとうございます。
1週間前と書くところを1週間後のpHと書いていました。