水槽ガラス面に付いたコケ(藻類)等を、掃除してもらう目的で水槽に導入するコケ取り貝。そんな、水槽内に発生したコケ(藻類)を食べる貝も沢山いますが、今回は最強のコケ取り貝の一つと言われるフネアマ貝。
水槽ガラス面やレイアウト素材の石などに付着する緑藻・珪藻を代表とする藻など、黒髭コケ以外には絶大なコケ取り効果を発揮してくれるフネアマ貝の、飼育条件・水温・水質・能力・コケ取り能力・注意点を紹介します。
フネアマ貝の飼育条件
分布 | 日本・東南アジア |
エサ | 藻類・有機物 |
水温 | 15~28℃位 |
水質 | 弱酸性~弱アルカリ性 |
体長 | 最大約4cm位 |
繁殖 | 淡水環境では不可 |
フネアマ貝はどんな貝?
アワビに似たような一枚貝で、もともとは汽水域に生息している貝みたいなので、淡水の水槽内だとあまり永く生存出来ないかもしれません。
水槽導入は簡単か
水質への適応範囲は広いですが、水合わせは普通にした方がいいでしょう。水質というよりも、水温に差がある状態で水槽に入れてしまうと、流石にフネアマ貝にとっても負担になってきます。
自分は、以前簡単に水合わせをして水槽に導入したら、3匹のフネアマ貝の内2日目に1匹、残り2匹も1週間以内に星にしてしまいました。その後、別の機会にしっかりと水合わせをしてから導入したら、問題無く馴染んでくれて水槽内のコケを食べてくれました。
移動速度
このフネアマ貝の移動速度は、他のコケ取り貝と比べてもめちゃくちゃ速いです。上の写真の位置から1分後には、
もうここ迄移動しています。いつの間にか、思っていないところまで動いている事も多いです。
フネアマ貝のコケ取りの能力
このフネアマ貝のコケ取り能力は、他のコケ取り貝と言われている貝と比べても、非常に高いコケ取り能力を見せてくれます。正直、自分はビックリしました。
水槽の角の部分などや、底床とガラス面の際の部分など、かなり綺麗にコケ(藻類)を食べてくれます。また、水槽ガラス面だけでは無く、溶岩石など凸凹した石の部分に生えたコケ(藻類)も綺麗にコケを食べてくれています。
水槽ガラス面やレイアウト素材の石などに発生している、緑藻や珪藻対策には十分な能力をみせてくれます。
ただし、黒髭コケは食べていません。正確に言うと、好んで食べないというだけです。黒髭コケが大量に発生していた流木に、このフネアマ貝を乗せてしばらくしたら、フネアマ貝が移動している部分に生えていた黒髭コケは無くなっていました。
写真の真ん中に写っているのが、フネアマ貝です。溶岩石に生えたコケ(藻類)を食べています。写真を見て分かるでしょうか?フネアマ貝が乗っている溶岩石は元々、フネアマ貝の右上の様な感じでコケが沢山着いていましたが、いつのまにかコケを食べて綺麗な状態ににしくれていました。
写真が汚いですが、水槽背面のガラスに付着している緑色のフサフサした緑藻も綺麗に食べてくれます。分かりづらいですが、フネアマ貝が通った跡はコケ(藻類)が無くなっています。
フネアマ貝のあまりにもすごい食欲に、水槽内のコケが無くなっても困るので、水槽背面や側面のガラス面のコケ掃除はしていない位です。
フネアマ貝を水槽に導入するデメリット
ここまで見るとフネアマ貝は、非常に有能なコケ取り貝に見えますが、もちろん水槽に導入するデメリットもあります。
ガラス面を這って鑑賞価値を落とす。
フネアマ貝が、水槽ガラス面を這っている姿が目立ってしまい、水槽の観賞価値を落とすのが一番のデメリットでしょう。よく水槽ガラス面をうろちょろしている事が多いので、ちょっと目障りになる事があるかもしれません。
ソイルや底床に潜る
フネアマ貝は、移動速度が速く張り付く力が強い事から、このような形で田砂の中に潜り移動したりしています。また、ガラス面とソイルの間に、潜り込んだりしている事もあります。その結果、前景部分の植えて間もない水草が抜けてしまい、水面に浮いてしまっている場合があります。
ガラス面などの基質部分に卵を産み付ける
(2015/04/02追記)
水槽ガラス面や流木・石などの基質などに、フネアマ貝は卵を産み付けます。写真に写っている黄色いフネアマ貝の卵は、1ヶ月に3回程産み付けられていました。水槽ガラス面に産み付けていたのですが、ほったらかしていたら同じ場所に3回産み付けていました。
ただし、このフネアマ貝は雌雄異体(オス・メスが別かれている)だと思われます。色々な貝が雌雄同体(オス・メスのどちらにでもなる)と言われていますが、アワビに似たこのフネアマ貝はオス・メスに別れていると思われます。ちなみに、アワビは雌雄異体です。
なぜ雌雄異体かというと、1ヶ月以上前に3匹のフネアマ貝が同じ水槽にいました。その時は、どのフネアマ貝が卵を産んでいるのかわかりませんでしたが、この水槽に導入した1匹だけが卵を産みつけ、残りの2匹いる水槽ではそれ以来卵を見た事がありませんでした。
そして、今では3つ別々の水槽にそれぞれ1匹ずつフネアマ貝を入れていますが、この水槽以外では卵を見ていません。また、卵を産んでいたこのフネアマ貝は、1ヶ月位は卵を産んでいましたが、1ヶ月程経つと卵を産まなくなりました。
あと、淡水環境だとフネアマ貝は、繁殖するのが難しいです。理由としては、成長していく過程で汽水環境が必要だからです。淡水環境の水槽だと、複数匹導入すると卵を産み付ける事はあっても、フネアマ貝が大繁殖する事は無いです。
張り付く力が非常に強い
このフネアマ貝がガラス面に張り付いている状態で、水槽から取り出す等移動させようとすると、とても苦労させられます。
ガラス面などに強く張り付いている状態から移動させるには、軽く左右に何回か揺すってあげて下さい。ガラス面に張り付いていた状態から、左右に揺すられて徐々に殻の中に入って身を守ろうとします。
そうなると、簡単に殻の部分を持って移動させる事が出来るようになります。間違ってもガラス面などにフネアマ貝が張り付いた状態で、垂直方向に無理やり剥がそうとしないようにして下さい。
まとめ
自分の中では、コケ対策で水槽に導入する貝の中で最強のコケ取り貝は、このフネアマ貝だと思っています。水槽内に生えたコケ(藻類)をよく食べてくれますが、水槽に導入する上でのデメリットもあります。
水槽内をいろいろ動きまわって、ガラス面に張り付いて鑑賞価値を落としてしまう事もあります。水槽に導入する数としては、水槽の観賞価値をそこまで気にしなければ、60cm水槽に2匹程度でも十分でしょう。逆に、1匹にしておけば、卵を産み付ける問題もクリア出来ます。
最終更新日:2019/04/11
コメント
フネアマの卵を処理が面倒なのでほったらかしにしておきました。
本日、発見かなりの量があったのですが、1匹1~2mmほどの子貝を発見。
このまま育つかどうか不明ですが、様子を見ようと思います。
ルーペで見たのですが、同時にヤマトヌマエビの幼生も発見、あり得ますか?
金魚の水槽で純淡水です。
個々3週間ほど水替えしていませんでしたが、水質が悪くなったのが影響したのか?
フィルターの吸い込み口を処理しないといけません。(スポンジでも付けます)
カメラで撮りたいのですが、あまり機能の高くないカメラなので、マクロがあまり効かないので残念です。
>橋本さんへ
フネアマ貝は、卵から孵化した幼生は汽水で成長して幼貝へと成長していくと言われています。
金魚を飼われている純淡水なので、成長するのに必要な塩分がかなり少ないので大きく成長していくのは難しいと思います。
また、発見したのが1~2mmの子貝との事ですが、ひょっとしたらスネールで有名な「カワコザラガイ」ではありませんか?
もし、「カワコザラガイ」であったら早めに駆除した方がいいです。
ヤマトヌマエビの幼生の発見は有り得ると思いますが、やはりヤマトヌマエビも汽水域で幼生から稚エビに変態するまでに塩分が必要と言われているので、純淡水環境だと稚エビまでは成長しないと思われます。
自分の飼育環境でもヤマトヌマエビの放卵などはよく見ていますが、最終的に稚エビになった状態を見る事は出来ていません。
橋本
>ブラックコーヒー様
ご返信ありがとうございました。
カワコザラガイではないと思います。
外部導入は、タニシ2年目、石巻5年目、アマフネ1年目、2年目の物だけです。
取りあえずですが、他の物が混入する要素はない環境です。
水草等は入れていません。
ところで、アマフネの子貝と思っていたものは、この投稿をして2日後位に消滅してしまいました。
おそらく死んだ卵はいっぱい残っていますが、、、
ぬか喜びしましたが、基本的には無理とは思っていました。
お騒がせいたしました。