つい最近、水草の生長を促すためにCO2を強制添加している水草水槽で、ちょっとしたトラブルが発生しました。
照明点灯時にCO2を強制添加しているのですが、その添加量を60cm水槽に1秒2滴の割合に変更して2日目。
前日は、照明消灯直前の水槽水のpHが6.0を指していたにも関わらず、2日目になると照明消灯直前の水槽水のpHが8.2を指している状態でした。
さすがに、2秒1滴のCO2強制添加をしている水槽のpHがアルカリに傾くのはおかしいです。
トラブルの原因を見つけた瞬間、やっぱり照明点灯時にCO2添加をしないなら、エアレーションをした方がいいと感じた事です。
水槽水がpH8.2のアルカリよりになった原因
真っ先に、pH測定器の不具合を疑いましたが、水道水のpHは7.0を指しているので正常っぽい状態です。
ならば、水槽内の石などの素材からpHを上昇させる何かが溶け出しているのかと思い、KH(炭酸塩硬度)やGH(総硬度)を測定しましたがそれぞれ1.5dHでした。
他の水槽のpHを測定しても、いたって正常の値を示していました。というか別の水槽でCO2無添加の水槽より、この水槽水の方が逆にpHが高くなっている状態。
ここまで、この水槽水のpHが高くなったのは初めて見ました。
ここまで来て、CO2添加している水槽台の中を見てみると、CO2ミキサーと接続されているはずのホースが外れていました。
どのタイミングでCO2を添加するホースが外れていたのかわかりませんが、水草が照明の光を使って光合成を行うさいに、水槽水中の二酸化炭素を消費している状態でした。
もちろん、水槽内に小型カラシン類が20匹程度はいるので、多少の二酸化炭素は供給されている状態ですが、それだけでは水草が光合成に必要な二酸化炭素が足らない状態だったみたいです。
水槽水面からの二酸化炭素の吸収もあるのでしょうが、外部フィルターからの排水は水面より下になっており、CO2強制添加時にはCO2が曝気されないようエアレーション自体が止まっている状態になっています。
これらの条件が重なって、水槽内の二酸化炭素量が減少して照明点灯前でpH7.2あるものが、照明消灯直前のpH8.2まで上がってしまいました。
この水槽水のKHが1.5dHなのも、pHが8.2まで上がった原因でもありますが。
光合成でどれ位のCO2を消費したのか
逆にこのCO2強制添加のトラブルで、この水草水槽で水槽内のCO2をどれ位消費したのかを計算してみました。
KH(炭酸塩硬度)1.5dHでpH7.2時のCO2濃度は、3.52mg/lです。
そして、照明消灯直前の値がpH8.2になっていたので、計算すると0.35mg/lとなります。と、言う事で単純計算で最低3mg/lの二酸化炭素を光合成で消費した事になります。
コケが!
この水槽には、緑藻が多く発生しているのですが、pHがアルカリよりだと水草が上手く二酸化炭素を使えない状態で、逆にコケなどが水槽内の二酸化炭素を使いやすくなり光合成を行います。
エアレーションを行ったら
水槽水がpH8.2の状態から、エアレーションを1時間行ったらpH7.6まで下がっていきました。
翌日、照明点灯前にはpH7.2になっていたので、エアレーションにより水面が揺れて水槽内に二酸化炭素を取り込んだ事になります。
もちろん、水草や熱帯魚の呼吸もありますが。
まとめ
今回、照明点灯時のCO2強制添加で、CO2が添加されないトラブルが発生しました。
照明点灯時にCO2強制添加を行わず、外掛けフィルターなど水面を揺らすような排水が行われない場合には、水草が入っている水槽ではエアレーションを行って水槽内のCO2濃度を増やした方がCO2減少によるpH上昇も無く、水草の生長にも有効になるでしょう。
更新日:2020/11/24
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素晴らしい見解