突然、水槽の水面に発生するギラギラした油膜。
同じような水槽に発生する油膜でも色々なタイミングで発生し、水面を薄く覆うタイプや、厚く水槽表面を覆い泡がなかかな消えないタイプの油膜があります。
水槽内で何が原因で油膜が発生しているのかが分かれば、対策・対処がしやすくなります。
そこで、油膜が水槽水面に発生する原因とその対策・除去方法を解説します。
水槽水面に油膜が発生する原因
水槽の水面に油膜が出来るケースがいくつかあります。
これらの事が原因で、水槽水面に油膜が発生する事があります。
もし、今現在油膜が水面に出来ている場合は、上記内容で当てはまる事がないか確認してみて下さい。各項目ごとの対策・対処方法の詳細です。
水槽を立ち上げ初期に発生する油膜への対策方法
まだ、うまく水槽内にろ過バクテリアが定着していないのが、水面に油膜が発生している原因でしょう。
ちょっとした水槽内のバクテリアバランスの変化により、生存競争に負けたバクテリアが死滅して、そのバクテリアの死骸が水槽水面に油膜として発生している可能性があります。
たぶんこのような状態の時は、飼育水が白濁(透明感を失い白く濁ったような状態)している事も多いです。
対策方法としては、水槽内のバクテリアバランスを崩す大きな原因になる、ろ過フィルターの清掃や大量な水換えなどを控えた方がいいです。
しっかりと、水槽にエアレーションをして飼育水中の酸素量を増やし、ろ過バクテリアの繁殖を促すようにした方がいいです。
水草をトリミングした後に油膜が発生する場合への対策方法
水草をトリミングした後、大量に水槽水面に油膜が発生する場合があります。
トリミングされた水草の茎の部分などから、気泡のような形で出てきます。まさに、これが水槽水面に油膜を発生させる原因です。
水草を大量にトリミングした後、CO2(二酸化炭素)添加しながら液肥などをトリミング前と同じように添加していると、水槽水面に油膜が発生する事が多くなります。
しかし、1~2週間もするとその油膜自体も自然と収まってきます。
1~2週間程度で、トリミングされた水草の茎の部分が閉じて、そこから気泡を出さなくなるので、この事が原因になっています。
大量に水草をトリミングした場合、1~2週間程度は肥料は控えた方がいいです。液体肥料(主にカリウム液肥)を添加すると、水草のトリミング面から通常より多くの気泡を上げるのがわかると思います。
熱帯魚への餌や与え方が原因への対策方法
熱帯魚の餌には、タンパク質が多く含まれています。この熱帯魚への餌が水槽内に残り、エサのタンパク質が水槽の水面に浮かんで、油膜として現れている可能性があります。
この場合の対策方法としては、今熱帯魚へ与えている餌の成分表を見て、高タンパク質のエサを与えている場合は、そのエサを変えるだけでも効果があります。
水槽内にタンパク質が多く存在している状態なので、水換えによって水槽外にタンパク質などを出す事で油膜が軽減されます。
熱帯魚等の生体が水槽内で死んでいる事が原因への対策方法
水槽内で熱帯魚などの生体が多く死んでしまい、その状態のまま放置している場合も、水槽水面に油膜が発生する事があります。熱帯魚などの生体にも多くタンパク質などが含まれているので、それらが油膜を発生させる原因になっている場合があります。
この場合の対策方法としては、すぐに水槽内から死んでいる生体を取り出すようにします。ただ、気付き難い場所で死んでいる場合もあるので、きちんと水槽内に何匹いるかの確認をするようにしておくと、異変に気付きやすいです。
生体の腐敗が進むと水槽内のバランスが崩れて、油膜が発生するだけでは済まない場合があります。また、貝等を水槽内のコケ取り目的で入れている場合にも注意が必要です。特に貝類が死んだ時は、腐敗がとても早いので、すぐに水槽から取り出した方がいいです。
水槽の水温が高いのが原因への対策方法
特に夏場の水槽水温が高い時などに、水槽水面に油膜が発生する事があります。これは、水温が高くなるにつれてバクテリアが活性化されて、水槽内の酸素が多く消費されるようになり、フィルター内のバクテリアが死滅したりした場合に起きる事が原因です。
水温が高くなると飼育水中の溶存酸素量が減る上に、バクテリアが活性化して飼育水中の酸素を多く消費するので、必然的に飼育水中の溶存酸素量が減ってしまう形になります。
この場合の対策方法としては、まずは、水槽のエアレーションをしっかり行う事により、水槽内の溶存酸素量を増やします。また、エアレーションをする事によって水面が掻き混ぜられるので、発生していた油膜が徐々に減っていくのが分かると思います。
水槽の温度が高くなりやすい夏場には、水槽にエアレーションをすることは必須になってきます。また、水槽の温度を25℃程度に保てるようにすると、油膜の発生が少なくなる場合もあります。
水草の肥料を与え過ぎが原因への対策方法
水草水槽内に肥料を多く与えすぎた場合などにも、油膜が発生する原因になります。水槽内で水草が消費できる栄養分は、水草を植えている量や生長速度などで決まってくるので、それを超える量の肥料を与えると水槽内のバランスが崩れて油膜を発生させる事があります。
これらへの対策方法としては、まずは、水槽に添加している液肥などの量を、減らすかストップさせて下さい。そして、2・3日様子を見て油膜が収まってきたら、今迄添加していた量より少なめで添加します。
水質調整剤を入れすぎが原因への対策方法
水道水のカルキ抜き剤などの水質調整剤に、生体の粘膜保護などの目的の物が含まれるタイプがあり、それを水換えするさいに多く入れすぎた場合なども、水槽水面に油膜が発生する場合があります。
水質調整剤に含まれる熱帯魚の粘膜保護剤を多く入れると、飼育水がとろみを増してくるのでこれが原因の場合があります。
水質調整剤を入れすぎた場合への対策方法としては、実際にはしばらく日数を置くと自然と減少してきますが、どうしても気になる場合は3日程度おいてから水槽水を再度換水して下さい。そのさいにカルキ抜きを含む水質調整剤の量は、しっかり規定量を守って下さい。
逆に、少なめに用いてもいい位かもしれません。
一時的に水槽水面に出来た油膜を除去(減少)させる方法
どうしても水槽水面に発生した油膜は、見た目的にも気持ち悪かったりするので、すぐさま油膜を除去(減らしたい)ところです。そこで、まずは一時的に油膜を減少させる上で、効果的な方法を紹介します。
水換えにより除去(減少)させる
とりあえず、水槽の調子が悪くなったら水換えを行うといいでです。水換えにより、水槽水を外部へ取り出しましょう。まず、これが一番最初にするべき事です。
排水パイプからの水を水面に当てて除去(減少)させる
外部フィルターなどの排水パイプを水面にあてて、水流で水面を掻き混ぜる事でも油膜を除去(減少)できます。また、外掛けフィルターなどで水面に水流を当てても、油膜を除去(減少)させる効果があります。
ADAのポピーグラスやリリィパイプなどを水面まで出す事により水面を掻き混ぜてくれるので、この方法でも油膜を除去出来ます。
エアレーションをして水面を揺らして除去(減少)させる
油膜は、水槽の水面に発生します。そこで、エアレーションを掛ける事で油膜自体を水槽内に掻き混ぜて、水槽内のバクテリアに消費させて除去(減少)させる方法です。
水槽にエアレーションを行う事により、水槽内の溶存酸素量も増えて一石二鳥な方法です。
油膜取り機を使用して除去(減少)させる
機械に水面のゴミや油膜などを吸い込ませて、水槽水面を綺麗にする方法です。ADAのVUPPA-Iなどが有名ですが、価格が高いのが難点です。
価格も実売2,500円程度で販売されているので、油膜をすぐに除去したい場合などには有効です。
コトブキ工芸から発売されている、油膜取り機のYUMACLEAR(ユマクリア)。
エーハイムの物より、若干コンパクトになっているので、小型水槽に設置してもエーハイムの物より場所をとりません。価格もエーハイム製よりも安いのが魅力です。
油膜を食べる生体で除去(減少)させる
油膜を食べてくれる事で有名なブラック・モーリー。卵胎生のメダカの仲間です。エサを食べる量も多いので多く入れる事はオススメしません。
油膜除去だけの目的なら他の方法を用いた方がいいでしょう。
キッチンペーパーに油膜を吸わせて除去(減少)させる
水槽水面にキッチンペーパーを浮かべて、油膜を吸い取らせる方法があります。また、新聞紙を水面に浮かべて、油膜を吸い取らせる方法もあります。
水槽水面に油膜が発生する原因と対策・除去方法のまとめ
水槽の水面に油膜が発生する原因には、色々な要因があります。
水質の悪化が一番の原因に考えられますが、水草をトリミングした後なども特に油膜が発生します。油膜が発生する原因を見つけないと、いつまでたっても油膜の発生を抑える事は出来ないでしょう。
まずは、一時的に水換え・エアレーションで油膜を減少させてから、水槽水面に油膜が発生している原因を考えて対処してみて下さい。
更新日:2023/06/09
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