水草水槽などでコケ対策として用いられる生物兵器、その定番種であるヤマトヌマエビ。その雑食性から、水槽内に生えるコケのみならず、死んでしまった熱帯魚や同種の死んでしまったエビを食べている姿を目撃する事は多々あります。
この死んでしまった生体を食べるのとは違い、まだ生きている状態でヤマトヌマエビ同士でこの共食いをするのかという事です。
水槽内を観察していると、ヤマトヌマエビが他のヤマトヌマエビを襲い食べ始めたので、結論としては「ヤマトヌマエビは共食いをする」と言う事になります。死んでしまっているヤマトヌマエビでは無く、生きている状態のヤマトヌマエビが共食いを始めた状況などです。
ヤマトヌマエビがヤマトヌマエビを襲い始める
水槽内を観察していると、小さいヤマトヌマエビに一回り大きいヤマトヌマエビは飛びついて行きました。背中に乗るのでは無く、正面から抱き合うような形で。
良く見てみると、小さい方は足をばたつかせながら、大きい方はハサミで小さい方の顔辺りをすごいスピードでツマツマしていました。小さい方は多分オスで、大きい方がメスのようでした。
てっきり、エサの奪い合いをしているかと思って見ていたら、今度は別の2匹が小さいヤマトヌマエビに飛びついてきました。小さいヤマトヌマエビは、色が白濁している事も無く、また、赤っぽくもなっていませんでした。
しばらく観察していたら、ヤマトヌマエビが共食いしている状態でした。
襲われたヤマトヌマエビは瀕死状態に
襲われていた小さいヤマトヌマエビがもがいていたので、ピンセットで他の襲っているヤマトヌマエビから引き離してみましたが、もう瀕死の状態でした。引き離したら襲われていたヤマトヌマエビは、仰向けに泳ぎだして力無く底面に。
足をバタつかせていますが、さっきまでとは体の色が変化している状態でした。その体色は、徐々に赤っぽくなってきました。そして、その状態の小さいヤマトヌマエビに先程襲っていた一回り大きいヤマトヌマエビが、また、襲いだしました。
脱皮直後を襲われた?
その状況をよく見てみると、周りに脱皮した抜け殻が転がっていました。脱皮した殻の大きさから考えると、この抜け殻は襲われている小さいヤマトヌマエビの物ではないかと。
甲殻類は、「脱皮直後は殻がとても柔らかく襲われやすい」と言われていますが、まさに今回目撃したヤマトヌマエビの共食いがその状態だったのかもしれません。
以前、衰弱していたコリドラスにヤマトヌマエビが何匹もまとわり付いて、最後にはそのコリドラスが死に、骨だけにされてしまった事がありましたが、ヤマトヌマエビは本能的に衰弱した状態の生体などを察知する事が出来るのでしょう。
(ヤマトヌマエビに限らず、甲殻類全般に言える事だと思いますが)
まとめ
水槽内で死んでしまった生体を、一晩で骨だけにしてしまう位食欲旺盛なヤマトヌマエビ。
その雑食性から水槽内のコケだけでは無く生体の死骸も食べますが、今回はまだ生きている状態のヤマトヌマエビの共食いを目撃してしまいました。弱ったヤマトヌマエビに一気に集団で襲い掛かっている様は、ちょっとエグい感じでしたが。
ただし、元気に泳ぎ回っている熱帯魚がヤマトヌマエビに襲われているような所はまだ見た事は無いので、弱って動きが遅くなってきた生体は襲われて食べられるのでしょう。
最終更新日:2022/03/17
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