水道水のカルキ抜き(塩素中和)方法とそれに掛かる時間や量など!

水道水のカルキ抜き(塩素中和)方法 実験・測定
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金魚やメダカ、熱帯魚などの観賞魚を飼う上で、絶対に必要になってくるのが飼育水です。

定期的な飼育水の水換えなどで、水槽内の飼育環境を綺麗な状態に保っていきますが、通常この飼育水を用意するのに水道水を使っている方が大多数でしょう。

ただし、この水道水には金魚やメダカ・熱帯魚、そして、水槽内に繁殖するバクテリアにとって毒であるカルキ(塩素)が含まれているので、水道水を飼育水として使うためにはカルキ抜き(塩素中和)する必要があります

水道水に含まれるカルキのカルキ抜きをする方法はいくつかあり、その方法によってどれ位の時間が掛かるのかを実験してみた結果です。

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水道水に含まれるカルキ(残留塩素)について

水道水に含まれるカルキ(残留塩素)の量は、水道の蛇口から出す時で0.1mg/L以上目標値として1mg/L以下と水道法上で決められています。

参考記事厚生労働省-水質基準項目と基準値(51項目)

浄水場では、季節によっても消毒のための塩素量を調整して(特に夏場が多く)、水道水の消毒を行っています。

また、浄水場の近くに住んでいる場合には、水道水に含まれるカルキ(残留塩素)の量が多くなってきます。

ちなみに、先程自分の住んでいる地域の水道局発表の水質試験結果を見てみたら、残留塩素は0.6mg/lとなっていました。

通常この残留塩素の量は、人が飲用したりする分には問題の無い量ですが、水道水をそのまま観賞魚の飼育水として使うには、このカルキ(残留塩素)が非常に問題となってきます。

観賞魚の種類によっては、このカルキが残っているだけで簡単に死んでしまう魚類もいます。

参考資料淡水魚に対する残留塩素の連続通水による毒性試験

上記参考資料を見てみると、メダカや金魚は比較的残留塩素に耐性があるみたいですが、鮎などの綺麗な水を好む魚類では、カルキ(残留塩素)の量が0.07mg/lでも24時間で半数が死んでしまっているみたいです。

このように飼育水として水道水のカルキ(残留塩素)抜きをせずに使うと、観賞魚の種類によっては好ましくない水質になってしまいます。

水道水に塩素が含まれているかを測る

水道水にカルキ(残留塩素)がどれ位の量が含まれているのかを測定するために、このような試薬が販売されています。

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セラCl(塩素)テストを使えば、簡単・正確に水道水に含まれる塩素濃度を測定、色比較により危険な塩素値であるかどうかを確認することができます。

水道水10mlにこの試薬8滴を滴下して、色が黄色に変わればその水道水にはカルキが0.02mg/l以上含まれている事が分かります。

実際に水道水にこの試薬を滴下してみると、しっかりと黄色に変化したので水道水にカルキが含まれているのが分かります。

水道水にカルキが含まれているかを測定

そこで、水道水を飼育水として使う場合には、カルキ(残留塩素)抜きをして使う必要があります。そして、このカルキ(残留塩素)抜きをする方法が3つ程あります。

  • 塩素中和剤を使って、水道水のカルキ抜きをする方法
  • 水道水にエアレーションをして、カルキ抜きする方法
  • 屋外で直射日光に当てて、水道水のカルキ抜きする方法

塩素中和剤で水道水のカルキ抜きする方法

塩素中和剤で水道水のカルキ抜き

中和剤を使って水道水の塩素を中和する方法で、固形タイプと液体タイプが有り、液体タイプの物はかなり簡単でお手軽なカルキ抜き方法です。

色々な中和剤がアクアリウムメーカーから販売されており、カルキ抜きのみの物や他の調整剤を含んだ物などが販売されています。

今回使用したのは、エーハイムの4in1です。

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ただし、液体中和剤は即効性のカルキ抜きと言われていますが、水道水に添加してどれ位の時間で塩素が中和されるのか疑問だったので、実際にどれ位の時間で中和されるのか測定してみました。

カルキ中和剤添加後1分

カルキ抜き添加後1分内で中和

メーカーの取り扱い説明によると、水道水5Lに対して中和剤を1ml添加となっているので、その量を水道水5Lに対して添加。

添加後10秒間かき混ぜて、1分後に残留塩素が中和されているかを測定。

塩素測定試薬を使ってみても、無色透明のままでしっかりとカルキが中和されているのがわかります。

さらに時間を短くしてカルキが中和されるのかを測定してみます。

カルキ中和剤添加後10秒

カルキ抜き添加後10秒

今度は、カルキ中和剤添加後10秒間水道水をかき混ぜ、即塩素が中和されているかを測定。

たった10秒でしたが、しっかりと水道水の塩素が中和されている状態です。すごい即効性です。

今まであまり意識していませんでしたが、こんなに早くカルキ中和されるとは。

今度は、メーカー規定量の水道水5Lに対して1mlでは無く、倍の水道水10Lに対して1mlを添加して測定してみます。

水道水が2倍の量の場合

水道水が倍の量に対して中和剤を同量

今度は、10Lの水道水に対して1mlの中和剤を添加した場合です。

大体いつも10Lバケツで水換えをするので、本来なら2mlを添加しなくてはいけませんが、間違って少なく添加した場合に自分が安心出来るようにですが。

メーカーもある程度安全マージンを見ているでしょうから、この量でも実際には水道水中のカルキ中和が出来そうですが、実際に測定してみます。

水道水倍の量に対して通常の添加量

無色透明で色変化がありませんので、この水道水10Lの場合でもメーカー規定量の添加量より少なくてもカルキを中和出来ている事が分かります。

ただし、地域や季節により水道水に含まれるカルキ(残留塩素)の量は異なるので、必ずしも同様の結果になるとは限りません。

エアレーションをして水道水のカルキ抜きする方法

バケツなどに飼育水にするための水道水を汲み置き、エアレーションをしてカルキ抜きをする方法です。

カルキが水面から揮発していきますが、エアレーションを掛ける事で汲み置いた水を撹拌して、その効率を高めるのが目的です。

実際にどれ位の時間が必要なのかは、地域や季節などによっても変わるので参考程度に。

バケツに水道水を5L汲み置き、直射日光などが入らない場所でエアレーションを掛けて12時間と24時間。夏場室温大体27℃。

水道水に12時間エアレーションを掛けた場合

エアレーションをしてカルキ抜きする方法

写真だと少し分かりずらいですが、若干の色変化が見られます。12時間エアレーションをしても、水道水に含まれるカルキが抜けきっていない状態です。

水道水に24時間エアレーションを掛けた場合

24時間エアレーション後の水道水

先程の水道水にさらに12時間エアレーションを掛けて、合計24時間エアレーションを掛けた場合です。

塩素測定試薬を滴下しても色変化が見られないので、24時間エアレーションを掛ければ水道水からカルキが抜けている事が分かります。

ただし、今回試した水道水の量が5Lなので、この量が10Lに増えた場合にはどうなるのかというところですが。

また、地域や季節によっても水道水に含まれているカルキの量が違ってくるので、本当に安心出来るのはどれ位の時間を掛けた方がいいのかという疑問は残りそうです。

屋外で直射日光に当てて水道水のカルキ抜きをする方法

屋外で日光に当ててカルキ抜きする方法

バケツなどに水道水を汲み置いて、直射日光に当てて(紫外線に当ててと言うのが正しいみたいですが)カルキ抜きする方法です。

季節によって日光の当たり方や紫外線量などが違ってくるので、実際にカルキ抜きをする時間調整が難しいところです。

夏場で屋外に10時~16時までの6時間置いた場合です。
外気温が30℃~35℃で、晴天の日。

屋外にバケツを置いてカルキ抜き

バケツに汲み置いた水道水を、屋外で直射日光に6時間当てて見た結果です。

塩素測定試薬を滴下しても色変化が見られないので、水道水のカルキが抜けている事が分かります。

外気温や天気などに左右される可能性が高いですが、夏場晴天の日なら6時間直射日光に当てるだけで十分に水道水のカルキ抜きが出来そうです

水道水のカルキ抜き(塩素中和)方法とそれに掛かる時間や量のまとめ

今回、観賞魚の飼育水に水道水を使うために必要となってくるカルキ(残留塩素)抜きの方法を3種類試してみました。

一番簡単に水道水のカルキ(残留塩素)抜きが出来るのが、即効性がある液体のカルキ中和剤を使った方法です。

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エアレーションを掛ける方法や屋外で直射日光に当てる方法もありますが、それぞれカルキを抜きたい水道水の量によってそれに掛かる時間も変わってきそうです。

エアレーションを掛ける方法は、飼育水に余計な薬剤などを入れたくない場合に有効なカルキ抜き方法になるのではないでしょうか。

自分の場合は、簡単にカルキ抜き出来る液体中和剤を使った方法でいつも水道水のカルキ抜きをして、飼育水の水換えなどをしています。

最終更新日:2023/03/20

実験・測定
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2012年夏に娘が2匹のミナミヌマエビを貰って来たのが事の始まり。
アラフォーのおっちゃんです。
アクアリウムでの失敗なども記録しているので、反面教師にしてもらえば嬉しいです(笑
嫁・息子1・娘1匹と生活しています。

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