水槽に体長1~3mm程度の白い小さい貝が、ガラス面などにいるのを見かけた事はありませんか?
もしくは、水草や石、流木などに貼り付いていたりしませんか?
もし白い小さい貝がカワコザラガイなら早めに対策をしないと、どんどん増えていき水槽内の美観を損ねる原因にもなります。
淡水水槽内で増えていいくスネールと呼ばれる厄介者と呼ばれる貝の一種ですが、モノアライガイやサカマキガイと比べるとその厄介度が別次元のスネールです。
実際、6年ほど前に自分も水槽へこのカワコザラガイの侵入を許し、駆除するのに非常に苦労しています。
そんな、スネールと呼ばれるカワコザラガイが水槽に発生した時の対策と駆除方法を解説します。
白い小さい貝のカワコザラガイとは?
カワコザラガイは、最大でも体長3mm程度の小さい貝で、自然界では用水路や河川にも生存しています。
繁殖力が非常に高く、一度水槽内に持ち込んでしまうとなかなか駆除するのが難しいスネールの一種です。
アクアリウムでスネールと言えば、このカワコザラガイ以外にサカマキガイやモノアライガイが有名ですが、サカマキガイやモノアライガイは水槽に見つけ次第潰したりしていけば1カ月程度で水槽内から駆除する事は可能です。
しかし、このカワコザラガイは水槽ガラス面などに見つけて潰すなどして駆除しても、翌日にはまた水槽ガラス面に貼り付いている姿を見つけてしまうくらい繁殖しています。
他のスネールと比べて厄介度が高いのは、このカワコザラガイが水槽底床の砂利やソイル内に潜り込んでいる事につきます。また、水槽のフィルター内にも潜り込んでいくので、カワコザラガイがいる水槽だとフィルター内のろ材にも潜んでいる事になります。
このように、水槽内のガラス面や水草の葉、レイアウト素材に石や流木などに貼り付いているのを潰して駆除しただけでは、本当にカワコザラガイを駆除した事にならず、結局は再度繁殖して水槽内に発生してきます。
カワコザラガイを完全に駆除するには水槽リセットしかない
先に結論を言いますが、水槽内に大量に繁殖したカワコザラガイを完全に駆除するには、水槽のリセットしか対処方法はありません。
カワコザラガイに対して、生体での駆除方法や薬での駆除方法なども今まで試してきましたが、一時的な効果はあっても完全に駆除する事は不可能と言ってもいいです。
理由は先程も言いましたが、水槽の底床内やろ過フィルター内にもカワコザラガイは潜り込んでいるからです。水槽だけでは無く、底床に使っている砂利やろ過フィルターに入れているろ材まで、ハイターなどを使用して完全リセットして初めて完全駆除になります。
一応、生体や薬による一時的な対処も出来るので、それを合わせて紹介します。
カワコザラガイへの対処方法
生体による対処方法
生体による対処方法として一般的なのは、カワコザラガイを食べる生体を水槽に入れて対処する方法です。ただし、先程も言いましたが、水槽のガラス面や水草の葉、石・流木などの表面に見えている部分に対しては効果があります。
しかし、一時的な対処にはなりますが、根本的な駆除にはならないです。また、貝を食べる生体と言えば、水槽内の他の生体への影響もあったりするので、カワコザラガイを駆除する目的だけで考えると、後々違った悩みが出ることがあります。
アベニー・パファー
カワコザライガイだけでは無く、スネール全般に対して有効です。
淡水水槽で飼う事が出来る、小さいフグで見た目も可愛いのですが、小型エビや小型の熱帯魚はカジられたり、食べられたりするので混泳は難しいです。
また、人工飼料には餌付きにくいので、赤虫などを別途与える必要があるのが難点です。
バジスバジス
カワコザラガイを食べてくれる熱帯魚ですが、ミナミヌマエビのような小型エビは、食べられたりするので混泳は難しいです。また、人工飼料には餌付きにくいので、赤虫などを別途与える必要があるのが難点です。
1匹でも入れておくと、水槽ガラス面などに貼り付いている姿は見なくなりますが、完全駆除は難しいです。
アノマロクロミス・トーマシー
ギニア、リベリア原産の小型のシクリッドの仲間で、水槽内に増えた巻貝を食べることからスネール対策としてポピュラーな熱帯魚です。ただし、成長していくと気性が荒くなるので、混泳させる相手を選ぶ必要があります。
また、ミナミヌマエビのような小型エビは、食べられたりするので混泳は難しいです。
チェリー・バルブ
スリランカ原産のコイの仲間で、このチェリー・バルブもカワコザラガイを食べてくれる熱帯魚です。
今まで紹介した熱帯魚の中では、比較的温和で混泳させやすい種ですが、餌に対して貪欲なので他魚に与えた餌を奪ってしまう位です。
餌を貪欲に食べるので、混泳させる熱帯魚が餌食いが遅いと、先に全て食べられてしまう事もあります。
最大体長が4cm程度になるので、ミナミヌマエビのような小型エビは、食べられたりするので注意する必要があります。
薬品による対処方法
ネットの情報では、プラナリアZEROがカワコザラガイに効くという情報もあります。本来、プラナリアやヒドラなどの駆除目的で使用する薬品で、熱帯魚・エビ・水草に害が無いと言われています。
また、貝類がダメージを受けて死んでしまうと言う情報も多く、この「貝類がダメージを受けて」と言う部分でカワコザラガイにも効くと言う事になるのかもしれません。
このような粉末状になっており、既定量を飼育水に溶かしながら、しばらくの間投薬していくスタイルです。3日間程続けて効果が無ければ1週間空けて、再度3日間投薬する形でそれを繰り返していきます。
自分の場合は、ベアタンクの水槽にこのプラナリアZEROを1カ月程投薬していきましたが、あまり効果は見られませんでした。投薬量が悪かったのかもしれません。
カワコザラガイの中身が溶け出ている物もいましたが、確実に効果があるかと言われれば…
この時試した水槽水のpHが7.6~7.8の弱アルカリ性だったのが、一つの原因かもしれません。
水槽水の水質によって対処する方法
水槽水のKH(炭酸塩硬度)やGH(総硬度)が低いと、貝類が成長する上で必要なカルシウム分などが不足しやすいので、繁殖速度が遅くなりやすいです。
水槽水のpHが6.0の弱酸性の場合とpHが7.2の中性~弱アルカリ性の場合では、明らかにpHが6.0の弱酸性時の水槽水の場合の方が、カワコザラガイの大繁殖まではいかなかったです。
ただし、ソイルの軟水化効果が切れて、二酸化炭素の添加自体を止め水槽水のpHが7.2位になるようになると、カワコザラガイが大繁殖を始めました。
水槽水のpHを5.0位まで下げる事が出来ると駆除出来るみたいですが、そのpHまで下げてしまうと水槽のバクテリアや生体にも影響が出るので、生体のいない水草水槽の場合なら試してみる価値はありそうです。
水槽内に持ち込まないのが一番の対策
結局のところ、水槽内にカワコザラガイを持ち込まないのが一番の対策になります。
カワコザラガイが水槽内に侵入する一番の原因として、購入した水草に付着しているケースです。
水草をショップで購入してきた時は、「水草その前に」のような薬剤を使用してしっかりと対策をした方がいいです。
購入した水草を「水草その前に」を溶かした2L水道水に10分間漬け込み、その後しっかりと水道水で薬品を洗い流す使い方をします。
こういう薬品などを使用しないと、目視のみで発見するのは不可能に近いです。
3mm程度まで成長しきったカワコザラガイなら目視による駆除は可能ですが、1mm以下のサイズだとまず水草に付着しているのを目視による駆除は不可能です。
現にカワコザラガイが発生していない水槽に、カワコザラガイが発生している水槽から浮草を2株程入れるさいに、慎重に目視で確認して入れましたが結局その水槽にも大繁殖してしまいました。
どうしても再利用する場合は、水草は諦めてハイターや熱湯による消毒をして、天日干しで水分を飛ばしてから使用する位の対策をしないといけないです。
また、水中にも密かに漂っている事もあるので、出来るだけその水槽の飼育水も持ち込まないようにした方がいいです。
まとめ
水槽内にスネールの一種である白い小さい貝のカワコザラガイが侵入すると、大繁殖してしまい水槽内の美観を損ねてしまいます。水槽内に生体を入れたまま、カワコザラガイだけの駆除は非常に大変です。
生体・薬品・水質の変化による対策・駆除方法はありますが、やはり完全に駆除するのは難しいです。
カワコザラガイを完全に駆除するには、水槽の完全リセットしか方法は無いです。そうなると、水槽内で再度ろ過バクテリアの繁殖を待ったりと、時間と手間が掛かってきて大変です。
そうならないように、水槽内にカワコザラガイを持ち込まないよう、細心の注意をした方がいいです。
更新日:2023/03/07
コメント
コメント失礼します。
薬品ですがスネールバスターの効果が絶大です。
1度では駆除出来ませんが、何度かやるといなくなってきます。
ただ、ソイルをいじるようなことをすると再発するのでその度に添加は必要ですが徐々に減ってるので是非使ってみてください。