水草水槽に入れるコケ取りエビとして、超定番なヤマトヌマエビ。何はともあれコケの予防や駆除目的で、水槽に入れているアクアリストの方も多いと思います。
他のコケ取りエビに比べて体のサイズが大きいため水槽内に余り多く入れすぎると、逆にヤマトヌマエビの方が目立ってしまうぐらい存在感があります。
しかし、コケ取り能力は非常に優秀で、水槽にヤマトヌマエビを入れているかどうかで、コケの発生具合に影響を与えるくらいです。そんな、水槽内のコケ取りエビの定番種、ヤマトヌマエビの飼育方法などを解説します。
ヤマトヌマエビの飼育方法
参考価格:10匹900円位~
学名
C.denticulata
通称
ヤマトヌマエビ
アマノシュリンプ(ADAの天野氏がコケ取りエビとして海外にも広めた為、海外ではヤマトヌマエビよりアマノシュリンプとして有名です。)
大きさ
オスの方が小さく、3cm~4cm程度。
メスはオスよりも一回り大きく、4cm~6cm程度。
ヤマトヌマエビの好みの水質・水温
ヤマトヌマエビを飼育する上で最適な水温は、20~28℃です。水槽の水温が28℃を超えた辺りから、ポツリポツリと落ちていく個体が増えます。
水槽にエアレーションをしっかりして、水槽内の溶存酸素濃度を確保してあげれば、水温が28℃を超える日が続いてもそこそこ大丈夫です。
また、甲殻類全般に言える事ですが、魚よりアンモニアや亜硝酸、硝酸塩濃度に弱いため、水槽内で生物ろ過がしっかりと効いてないと先に影響が出ます。生物ろ過がしっかりと効いた水槽を用意する必要があります。
ヤマトヌマエビを水槽で飼育するため飼育水のpHに関しては、弱酸性~弱アルカリ性まで幅広く順応してくれます。
ただし、水槽への導入時は水質・水温の変化に弱い面がありますのが、しっかり水合わせをすれば大丈夫です。
餌
ヤマトヌマエビは雑食性の為、コケ取り目的で水槽に導入するなら特別な餌等は必要ないでしょう。もし、他に水槽内で熱帯魚等を飼っている状態なら、熱帯魚に与えた餌の残り等も食べて残飯処理をしてくれます。
熱帯魚に与えたつもりの餌を、ヤマトヌマエビが奪うように抱え持っていく事もよく見かける光景です。特に、底物系の熱帯魚へ与えた餌を、勝手に抱えて持っていったりするぐらい餌に対して貪欲な面もみせます。
もし、餌の量が足らず飢えた状態であれば、弱った小型熱帯魚や脱皮直後のヤマトヌマエビを襲ったりする事もあります。
常に餌を求めて、水槽内を動いています。餌をたくさん食べるためか、思った以上に糞をしています。とくに、底床が白い砂系の場合は、底床を掃除した直後でもヤマトヌマエビの糞が目立って困ってしまうぐらいです。
ヤマトヌマエビのコケ取り能力
60cm水槽を基準として考えた場合、コケ発生の予防目的であれば、水槽内に5匹程度入れておけば十分その役目を果たしてくれます。逆に、水槽内にコケが蔓延した状態だと、10匹以上入れた方がいいでしょう。
水槽のコケ取りエビとして、ヤマトヌマエビ以外で有名な所ではミナミヌマエビがいますが、体の大きさの違いからか「ミナミヌマエビ10匹でヤマトヌマエビ1匹のコケ取り能力」と、例えられるぐらいヤマトヌマエビのコケ取り能力は高いです。
緑藻・アオミドロ類・珪藻(茶ゴケ)等のコケ駆除には非常にコケ取り能力を期待出来ますが、それ以外のコケには他の生体を導入した方がいいです。また、水槽ガラス面に付いたコケも食べようとしますが、なかなか食べるのが難しいみたいです。
水槽ガラス面に付いたコケよりも、流木・石・ソイル・水草等に発生したコケの駆除に能力を発揮します。
ヤマトヌマエビの寿命
ヤマトヌマエビの寿命は、2~3年以上と言われています。しかし、上記年数の寿命を全うするヤマトヌマエビは、通常の飼育スタイルだと非常に少数でしょう。
理由として、ヤマトヌマエビはエアレーション用のホースなどを伝って、水槽外に脱走する事が多々起こります。また、水槽の水位をかなり高い位置をキープした状態だと、飛び跳ねて水槽外に飛び出してしまう事もあります。
ヤマトヌマエビは、通常の小型エビが歩行しないのに対して、多少の距離なら歩行する事が出来ます。水槽外に脱走した後、水槽周りを歩行して最終的には干からびてしまいます。
ヤマトヌマエビは、多少歩行する事が出来ると言いましたが、水槽から2・3m以上離れたところまで歩いたりもします。このような事から、ヤマトヌマエビが実際の寿命を全うする位永い期間生きてくれる事が少ないです。
また、エビに寄生する寄生虫がいまが、この寄生虫の影響で寿命を迎える前に死んでしまう事もあります。
ヤマトヌマエビのみを飼育する目的ならば、水槽外に脱走しないようにガラス蓋をして、脱走する隙間を無くすなどの工夫をする必要があります。もしくは、水槽水位を多少下げて飼育した方がいいです。
ヤマトヌマエビの繁殖
水槽内で、オス・メスをそれなりの数飼育していると、抱卵したメスのヤマトヌマエビを見る機会があります。
抱卵自体はしますが、淡水水槽環境では成長する事が出来ず、通常のミナミヌマエビなどのように淡水水槽環境で数が増えて困る事はありません。逆に、水草水槽などの環境だとコケ取り目的で導入する事が多いので、使い捨てのような感覚で飼育するような形になってしまいます。
ヤマトヌマエビの体色
ヤマトヌマエビの体色が、通常時から変化する場合があります。飼育水の温度が高くなり、水槽内の溶存酸素濃度が低くなってくると、体色が赤っぼくなったりします。その場合には、エアレーションをして水槽内の溶存酸素濃度を高めてあげる必要があります。
水槽導入直後などは、青っぽい色になったりするヤマトヌマエビもいます。なぜこのような色に体色が変化するのかは分かりませんが、水槽導入直後にソイルなどをツマツマするように餌を食べている姿が見られれば問題はありません。
逆に、水槽内を暴れるように泳ぎまわったり、逆に餌を食べる仕草をせずジッとしている場合などは、水槽導入時の水合わせに失敗している可能性が高いです。
まとめ
参考価格:10匹900円位~
水槽内でのコケ類の予防や駆除などの目的で、導入する事が多いヤマトヌマエビ。コケ取り以外でも色々な魅力を見せてくれますが、水槽内で繁殖する事は難しいです。
ヤマトヌマエビの数が減ってきたら、水槽内にコケが発生してきたりとコケ予防の点でその能力を見せてくれます。
コケ取りエビとしては超定番種なため、ホームセンターや熱帯魚ショップなど、どこでも入手し易いのも魅力の一つです。
更新日:2023/03/20
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