熱帯魚の飼育や水草レイアウトを始める上で、まず用意しないといけないのが水槽です。
しかし、その水槽といってもその目的や設置スペースによっても、大きさや水槽の材質など検討しなければならない事があります。
純粋に熱帯魚の飼育を楽しむための水槽だったり、水草レイアウトした水草水槽だったりと、水槽を設置する目的自体も人それぞれです。
そこで、単純に水槽といっても色々な種類があるので、目的にあった水槽の選び方を紹介します。
水槽を選ぶ上でのポイント
水槽を設置する目的
何かしらの熱帯魚等の生体の飼育や水草レイアウト水槽だったりと、何かしらの目的があると思います。
例えば熱帯魚等の生体を飼育するのが目的ならば、その生体自体の大きさに着目して水槽を選ばなければなりません。
ショップなどで販売されている生体は若魚の場合が多く、実際に飼い込んでいったら思ったより大きくなって、当初購入したサイズの水槽だと小さすぎ、後々大きい水槽を購入しなおさなければならなくなったって話は良く聞きます。
そこで、水槽を選択する上で重要になってくるポイントがあります。
水槽サイズ(大きさ)を決める
水槽のサイズには、一般的に流通している規格があります。
その流通している水槽規格だと、他に取り付けたりする器具類の種類が多くあり、その分他の器具類も安く販売されていたりします。
とりわけ、横幅60cmの規格水槽が一般的に多く流通しているサイズになります。
また、水槽の上に載せるタイプの照明器具を使用する場合には、横幅が30cm・45cm・60cm・90cmタイプを選べば照明器具のラインナップも豊富にあります。
規格水槽のサイズ
水槽規格名 | 水槽サイズ(cm) 幅×奥行き×高さ |
水槽容量 |
30cm水槽 | 30×18×24 | 12.9L |
45cm水槽 | 45×24×30 | 32.4L |
60cm水槽 | 60×30×36 | 64.8L |
90cm水槽 | 90×45×45 | 182.2L |
180cm水槽 | 180×60×60 | 648L |
※水槽容量は、水槽の外寸より算出しています。実際の水槽の容量はガラス厚などを考慮して計算しないといけないです。水槽容量から約10%程を引いた容量になる事が多いです。
その他の水槽サイズ
実際の流通している水槽規格以外にも、人気がある水槽サイズがあります。
水槽名 | 水槽サイズ(cm) 幅×奥行き×高さ |
水槽容量 |
30cmキューブ | 30×30×30 | 27L |
45cmキューブ | 45×45×45 | 91.1L |
60cmスリム | 60×20×25 | 30L |
60cmワイド | 60×45×45 | 121.5L |
※水槽容量は、水槽の外寸より算出しています。実際の水槽の容量はガラス厚などを考慮して計算しないといけないです。水槽容量から約10%程を引いた容量になる事が多いです。
他にも色々なタイプの水槽がありますが、これからアクアリウムを始める方への参考とするために割愛しています。
水槽容量が生体等へ与える影響
水槽のサイズが大きい程、水槽の水容量が多くなり、水質が安定しやすいと言われています。また、水容量が大きくなると、室温の影響で上下する水温の変化も緩やかになります。
水容量が少ないと、ちょっとした水質の変化にも即座に対応しなければならなくなります。そこで、初めてアクアリウムを始める方に、流通量も多く水容量もある程度多い60cm規格水槽がおすすめされる理由になります。
しかし、初めてアクアリウムをされる方にとっては、実際に30cmの幅の水槽でも大きく感じるものです。
しっかりと、ろ過の事を理解してろ過フィルターを選択しておけば、多少の失敗はあるかもしれませんが、充分にアクアリウムを始める事が出来ると思います。
水槽を形成する素材で決める
一般的にはガラス製の水槽ですが、他にもアクリル製の水槽やプラスチック製の水槽もあります。
プラスチック製の水槽
ろ過フィルターとLEDライトが一体化になっており、水槽内を綺麗に演出します。
プラスチック製の水槽は、おしゃれな形をした水槽が多いです。しかし、総じて水容量が少ない水槽が多いため、水質・水温などの面で苦労する事が多いかもしれません。
また、プラスチック製なので、メンテナンスをするさいに鑑賞面に傷が付きやすく、長く使っていると鑑賞する面が曇ってくる場合があります。
ろ過フィルターが内臓されたタイプも多いですが、ろ過容量不足から生体を多く飼育する場合には向いていません。
少ない数で、こまめな水質管理が必要になってきます。
ガラス製の水槽
ガラス製の水槽には、大きく別けて2種類のタイプがあります。
ガラスの縁周りを枠で覆って強度を高めた枠あり水槽。
ガラス製水槽で昔はスタンダードなタイプで、後述するフレームレス水槽と比べて価格も安く、設置場所にマットを敷いたりする事も無く使えます。
フレームレス水槽(オールガラス水槽)
独自の製造技術でガラスの接合面に使うシリコンを美しく塗布する「コーナークリア製法」で境目の美しさが違います。
現在、主流の水槽のガラス面をシリコンで接着して、枠がないフレームレス水槽。水槽の縁を覆う枠が無く、水槽内をスッキリとみせる事が出来る水槽です。
水草レイアウト水槽では、得にこの水槽を使用する事が多いです。
アクリル製の水槽
激しく動き回る生体の場合は、水槽の素材自体が損傷しにくい物を選ばないといけなかったり、また生体自体が大型だったりすると、強度の面や重量の面からもアクリル水槽を選ぶ事が多いです。
アクリルはガラスに比べ衝撃に強い為、やんちゃなお子様のいる家庭にも安心です。
90cm以上サイズのアクリル水槽になると、価格面でもガラス水槽よりも安くなってきます。
また、強度の面もガラス水槽よりも丈夫で、熱伝導率も低いため水槽内の水温の変化がガラス水槽よりも緩やかになります。その為、冬場のヒーターや夏場のクーラーなどを稼動するランニングコストもガラス水槽より抑える事が出来ます。
また、経年劣化により鑑賞面の透明度が低下する場合があります。
水槽素材による比較
プラスチック | ガラス | アクリル | |
値段 | 安い | 普通 | 高い |
強度 | 普通 | 丈夫 | とても丈夫 |
透明度 | 普通 | 良い | とても良い |
重さ | 軽い | 重い | 軽い |
経年劣化 | しやすい | しにくい | しやすい |
傷の入りやすさ | 入りやすい | 入りにくい | 入りやすい |
通常、水槽といえばガラス製の水槽を選択するのが一般的ですが、その水槽を設置する目的により選択する水槽が変わってきます。
ガラスの透明度や品質で決める
実際の現物を見てみると、使用されているガラスによってその透明度が変わってくるのがわかります。
一般的な60cmオールガラス水槽の場合、ガラスの厚みは5~6mm程度です。同じガラスの厚みでも、ガラスの品質によってその透明度は全然違ってきます。
また、ガラスの断面部分が透明度が高いガラスは色が薄く、逆にやや透明度が落ちるガラスは緑が濃くなってきます。このガラスの透明度が高くなればなるほど、価格も高くなっていきます。
オールガラス水槽の場合、ガラスとガラスを貼り合わせている部分にシリコンを盛ってあります。
このシリコンの処理が雑なのか、もしくは、丁寧なのかが水槽の値段にも左右しているところです。
機械でシリコンの充填作業をしている水槽の場合は、どうしてもこの部分が厚く、そして、人間の手作業に比べてシリコンの幅が太くなりがちです。
このシリコンの厚みや幅があるのを安心と見るか、邪魔な存在とみるかは人それぞれですが。
オススメ・人気のある水槽
水槽サイズ別のオススメ・人気のある水槽です。
人気のある水槽と言う事は、それだけ多くの人に支持されているという事であり実績や安心感があります。
30cmキューブタイプ
水槽名 | ガラス厚 | 参考価格 |
コトブキ クリスタルキューブ300 | 5mm | ¥2,150- |
GEX グラステリア300キューブ | 5mm | ¥2,700- |
アクロ30Nキューブ | 5mm | ¥1,980- |
ADA キューブガーデン | 5mm | ¥6,500- |
ADAのキューブガーデン以外は、価格的にも殆ど大差ないです。
やはり、価格と比例してADAのキューブガーデンはガラスの透明度やシリコンの処理がとても綺麗です。
ただし、その分他のメーカーと比べて価格が2.5倍程度します。
60cm枠あり水槽
水槽名 | ガラス厚 | 参考価格 |
GEX ラピレスRV60 | ¥6,722- | |
ニッソー NEWスティングレー NS-106 | 前4mm 底・背面3mm | ¥6,580- |
コトブキ クリスタル水槽 KC-600S | ¥2,800- |
60cm枠あり水槽の場合、大体¥3,000~6,000-程度で購入出来ます。
60cmフレームレス水槽
水槽名 | ガラス厚 | 参考価格 |
エーハイム グラス水槽EJ-60 | 5mm | ¥4,750- |
ReafCorp アクロ60 | 5mm | ¥3,750- |
コトブキ レグラス R-600S | 6mm | ¥7,080- |
ADA キューブガーデン60 | 6mm | ¥11,000- |
ガラス厚5mmが6mmになると価格が違ってきています。
特にこれから、アクアリウムを始める方にとって安い価格帯の水槽でも十分です。
ADAのキューブガーデンは、価格も高いですがその分、ガラスの透明度やシリコンの処理に定評があります。
水槽をお洒落にするポイント
通常、水槽は全ての面が透明になっています。ガラス水槽などの場合は、背面にバックスクリーンを貼るだけでも印象がガラッと変わってきます。
まとめ
水槽を選択するさいには、どういう目的で水槽を設置するのかから、水槽のサイズや素材を選択して、透明度やシリコンの処理の仕方などから水槽を選択していけばいいです。
初心者におすすめな水槽サイズは、水質や水温など管理しやすい60cm規格水槽がいいですが、設置スペースの関係でそれ以下の水槽が良ければ、30cmキューブタイプをオススメします。
もし、設置スペースを確保出来るようになった場合に30cmキューブタイプなら押入れなどに、入れて置くにもそこまで邪魔にならないサイズです。
更新日:2020/11/13
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