観賞魚を飼育していく上での楽しみの一つであるのでが、観賞魚の繁殖でもあります。
水槽内に自然と卵を産んでいたりすることもありますが、卵から孵化し稚魚になりその後成長させようと思うと、やはり飼育者が手を掛けてあげないと思った以上に成長しないことの方が多いくらいです。
最近では、コリドラス・ピグミーが産卵し、しばらくすると卵から孵化した稚魚を水槽の底面で見かけることもありましたが、やはり1週間もするとその後の姿を見れない状況です。
そこで、今回はしっかりと水草やガラス面に産み付けられた卵を採卵し、孵化させ稚魚から若魚まで成長させたいと思います。
そんな、コリドラス・ピグミーの繁殖育成記録~産卵・採卵・孵化・餌の準備です。
コリドラス・ピグミーの産卵行動のきっかけ
今、60cm水槽内にコリドラス・ピグミーが10匹程います。
成熟したメスは、オスよりも一回り程大きく、お腹の部分がさらに大きいのでこの状態になると見わけられます。
このような状態で、水替えをすると翌日には浮草の根やガラス面、石などに卵を産み付けているのを確認出来ます。
産卵に入る前には、コリドラス独特のTポジションという行動をとりますが、今回はその状態を確認してはいません。
コリドラス・ピグミーの2匹のペアのうち、オスの方が卵を産み付けるであろう場所(アヌビアス・ナナなどの固めの葉など)を綺麗にするような行動をしているので、そのような行動が観察出来たらほぼ翌日には水槽内に産卵しているのが確認出来ます。
採卵する方法
産み付けられた卵は日が経つにつれて柔らかく、そして、採卵しづらくなっていくので早目に採卵します。
採卵する時のコツとして自分の場合は、浮草の根やウィローモスなどを指に巻いてからめとるような感じで。
水草の茂みの中などに産み付けられた卵は、採卵するのを諦めています。
(今回、ピンセットで採卵しようとしたら、1個潰してしまったので。親水槽内で孵化した稚魚をスポイトで吸い取った方がいいです。)
隔離水槽の用意
採卵したコリドラス・ピグミーの卵は、隔離水槽などに入れて孵化を待ちます。
今回は、スドーのサテライトLを用意しました。
水質に関しては、親水槽から常時供給されるので、親水槽の水がしっかりと出来上がっている状態なら問題無いです。
卵が孵化するまで
まず、そもそもの問題として、コリドラス・ピグミーが産卵した卵が有精卵か無精卵かの問題があります。
有精卵の場合、時間が経つにつれて卵の中に黒い核が現れて、徐々に大きくなって稚魚の姿が卵の中に見えるようになります。
しかし、無精卵の場合は卵がどんどんと乳白色になり、当然として黒い核が現れず卵の周りに水カビが発生します。
今回、採卵した卵は6個。本当は、親水槽の中にまだ有ったのですが採りにくい場所だったのでそのままにしました。
卵を孵化させる場合に、卵の水カビ対策としてメチレンブルーを入れる方法などが聞かれますが、今回の稚魚隔離水槽がサテライトなので、その方法が使えないため浮草の根や葉の裏に卵を引っ付けて、サテライトの吸水口下に浮草ごと浮かべました。
卵の水カビ対策でエアレーションをかける方法がありますが、吸水口の下に浮草ごと浮かべておけば同様の効果が期待出来そうなので。
試しに2個の卵は、底面に転がしているだけです。
浮草に4個、底面に2個の状態です。幸い全て有精卵。
コリドラスの卵が孵化するまでに3~4日と言われていますが、それには水温が大きく関係していると思います。
例えばメダカの場合は、孵化するまで250℃日が必要で、水温が25℃の場合で約10日後に孵化します。
水槽の水温が23℃位だったので、孵化するまでに約7日かかりました。
後から出てきますが、水温が25℃前後の時は約5日で孵化しました。
6個のコリドラスの卵のうち、孵化したのが5個、残り1個は孵化出来ませんでした。
底面に置いていた卵のうち1個が孵化していませんでしたが、卵から尾の部分は出ている状態で頭部分が卵から出ることが出来ない状態でした。
卵から孵化する直前、卵が底の部分でグルグル回転していたので、稚魚が一生懸命卵から出ようと頑張っているところでした。
底面に転がしていた卵は、粘着性が無くなっおり、ひょっとしたらそれが孵化の妨げになっていたかもしれません。
孵化後のコリドラスの稚魚の餌の準備
孵化したばかりのコリドラスの稚魚は、お腹の部分に栄養分であるヨークサックがあることで、2~3日は餌を必要としないと言われています。
ヨークサックが無くなると、コリドラスの稚魚に合わせた餌を与えてあげる必要があります。
稚魚用の餌は、1日3~4回程度細かく複数回にして与えて、常に餌を食べさせて稚魚の成長を促す必要があります。
この稚魚の頃にどれだけお腹一杯食べさせられるかで、その後の成長に影響を与えます。
ただし、自分の場合仕事などで昼間などに餌を与えられないので、1日の給餌スタイルとして朝1回、夜1回、深夜1回の計3回餌を与えるようにしています。
隔離水槽の水質悪化を防ぐために、餌を与える前に底面にある前回の餌を吸い取り、再度新しい餌を与えるようにしています。
ブラインシュリンプ
生餌であるブラインシュリンプは、栄養価が非常に高く嗜好性もバツグンなので稚魚の餌としても最高ですが、常に沸かす必要があるのでその分手間がかかります。
冷凍ベビーブラインシュリンプ
孵化後12時間以内のブラインシュリンプに、稚魚の成育に不可欠なビタミン複合体などを含ませた冷凍ベビーブラインシュリンプ。
給餌するさいに解凍する必要がありますが、少量パックになっているので給餌量をコントロールしやすいです。
殻無ブラインシュリンプ アルテミア 100
ブラインシュリンプの耐久卵から黄身だけを取り出していますので、そのまま稚魚に与えることができます。
給餌するさいは、別の容器に水槽水を入れアルテミアを溶かして、スポイト等で底面にいる稚魚の側にゆっくりと与えます。
PSB 水質浄化栄養細菌
孵化したばかりの稚魚に与える餌としてインフゾリアも有名ですが、そのインフゾリアを発生させるための餌になるのがPSBです。
ニオイがキツイのが難点ですが、上手く使うとこれだけでも孵化したばかりの稚魚の給餌が出来ます。
まとめ
観賞魚を飼育していく上での楽しみの一つであるのでが、観賞魚の繁殖でもあり、水槽内に自然と産卵することもありますが、卵から孵化し稚魚になりその後成長させようと思うと、やはり飼育者が手を掛けてあげないと思った以上に成長しないことの方が多いくらいです。
そんな、コリドラス・ピグミーの繁殖育成記録~産卵・採卵・孵化・餌の準備を紹介しました。
現在進行形で稚魚が成長しているので、何とか若魚まで育ってくれれば。
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