アクアリストにとって夏場は、水槽の高水温化をどのように回避するかが問題になってきます。水槽の温度が30℃を超える日が続くと、あっという間に水槽内の生体が体調を崩し最悪全滅という悲しい思いをする事になるかもしれません。
そこで、水槽の水温をいかに下げるかがアクアリウムをする上で、夏の一番の苦悩となるでしょう。水槽用クーラーを使う方法、冷却ファンを使う方法など色々あります。
前回は、冷却ファンを使って水槽の高水温対策をする方法を紹介(水槽の温度を下げたい!夏場の高水温対策 冷却ファン偏)しましたが、今回は本命の水槽用クーラーを使って対策する方法をピックアップします。
水槽用クーラー
水槽の温度を下げる方法の大本命になります。水槽の水を循環ポンプや外部フィルターの排水側に接続して、水槽用のクーラーを通して最後、水槽内に戻すという形になります。設定温度なども調節できて、好みの水槽の水温を維持する事が出来ます。
水槽用クーラーも冷やす方式により、メリット・デメリット・適合水槽サイズなどから自分に合った冷却方式の物をチョイスした方がいいです。
水槽用クーラーの設置例
画像引用:GEX
図の様に、外部フィルターを通過させた後、クーラーに接続して冷やした水槽水を水槽内に戻したり、循環用ポンプを用いてクーラーに水槽水を送ったりと、水槽用クーラー単体とクーラーに水槽水を送り込むボンプ類・別配管類が必要になります。
どうしても、その分水槽周りが煩雑になったりクーラーを設置するスペースが必要になってきます。
チラー式(コンプレッサー式)水槽用クーラー
ゼンスイ ZR-75E
水槽容量300L以下が対応範囲なので60cm~90cm水槽までは対応出来るでしょう。
ホース口径も12/16mm・16/22mmに対応しているので幅広く水槽の高水温対策できる水槽用クーラーになります。
消費電力:200~220w
テトラ クールパワーボックス CPX-75
水槽容量200L以下が対応範囲なので60~90cm水槽が適合範囲です。
ホース口径12/16mm対応となっているので、外部フィルターのホースサイズが16/22mmの場合は別途アダプタが必要になります。
消費電力:150w/170w(50/60Hz)となっています。
GEX クールウェイ BK110
適合水槽60~90cmの水槽用クーラーです。
ホース口径も12/16mm・16/22mmに対応しているので幅広く水槽の高水温対策できる水槽用クーラーになります。
消費電力:200~220w
チラー式(コンプレッサー式)水槽用クーラーのメリット
- きちんとした使用方法を守り(吸気口・排気口を塞がないなど)適合範囲の水槽用クーラーを選べば安定して、水槽の水温を下げてそれを維持してくれる。
- 水槽の水温を安定して維持できるため、設定温度まで到達したら稼動・停止を繰り返すので思ったよりも電気代が掛からない。
チラー式(コンプレッサー式)水槽用クーラーのデメリット
- 水槽用クーラーを別途設置するので、設置スペースが必要になる。
- ペルチェ式ほどではないが、電気代が掛かる。
- 設置の仕方が悪いと効率が悪くなり、部屋の温度を上げてしまう。
- 稼動音がうるさい。
メリットがあれば、もちろんデメリットもあります。
しかし、デメリット以上に安定した水槽温度管理を行うのが目的なら、間違いなくチラー式の水槽用クーラーを設置した方がいいでしょう。
ペルチェ式水槽用クーラー
ペルチェ式とは
ペルチェ素子という電子部品に電気を流すことにより、片方では冷却、片方では熱が発生する。自動車用冷蔵庫やミニ冷蔵庫など、小型の冷蔵庫に用いられたりしています。
電子部品を使って冷却するため、冷却装置そのものは音が発生しないが、冷却と同時に発熱する部分の廃熱をするためにファン等を用いるのでそのファンの音は発生する。
また、冷却効率はコンプレッサー方式に劣るため容量の大きい水槽などには向かない。意外と電気を消費します。
ゼンスイ TEGARU(テガル)
適合水槽:30~45cm
この一台で水槽の冷却と加温が出来る、小型水槽向けペルチェ式クーラー。
ホース口径は、内径8mm 外径13mmとなっていますが、付属の異径ジョイントで内径12mmのホースとも接続可能。
本体サイズも幅110mm×奥行150mm×高さ195mmとコンパクトなので、30cm水槽にピッタリの水槽用クーラーです。
飼育水の冷却・加温が一台で出来るので、1年を通して使えて水槽内に余計な器具を設置する必要もない機器です。
消費電力:75w
テトラ クールタワーCR-3N
適合水槽:30~60cm
ホース口径も8/12mm・12/16mmに対応しているので、幅広く水槽の高水温対策できる小型水槽用クーラーになります。
消費電力:245w
ペルチェ式水槽用クーラーのメリット
- 商品自体の価格が1万円を切る場合もあり、初期投資が安く済む事が最大のメリットになるのでしょう。
- チラー式の場合と比べて、初期投資が安くすむ水槽用クーラーでしょう。
- 小型水槽(30cm程度まで)なら十分に冷却してくれます。
- また、稼動音が冷却ファンのみなのでチラー式に比べて動作音が静か。ただし、内臓されているファンの大きさによってはうるさい場合があります。
ペルチェ式水槽用クーラーのデメリット
- 熱交換効率が悪いので、水槽の水温を安定して維持しにくい場合がある。
- そのため、チラー式に比べて稼動しっぱなしになる場合が多く電気代が多く掛かる場合がある。
- 冷却能力の割りに電機代が掛かる。
- 本体を置くスペースが必要になる。
- 冷却ファンの稼動音がする。
- 小型水槽程度までしか、冷却能力がない。
まとめ
水槽の水温を下げる対策として、本命の水槽用クーラー。用途によって上手く使い分けてみたほうがいいです。
初期投資が高いが効率が良く、ランニングコストも抑えられるのがチラー式水槽用クーラー。
初期投資は安いが、小型水槽以外では効率が悪く、ランニングコストも高くなるのがペルチェ式水槽用クーラー。
30cm水槽の冷却を考えているなら、ペルチェ式とチラー式の水槽用クーラーの選択が必要ですが、60cm以上ならチラー式水槽用クーラーしかないでしょう。
特にチラー式水槽用クーラーには、ヒーター用コンセントを内臓しているタイプが多いので1年中つなぎっ放しで、安定した水槽温度の管理が出来るでしょう。
また、他にも水槽の水温を下げる方法があるので参考にしてみて下さい。
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